■書名:未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
■著者:河合 雅司
■出版社:講談社
■発行年月:2017年6月
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日本の未来を予測!介護職も理解しておくべき人口減少・高齢化
人口に関する最新データをもとに、日本の未来を予測した2017年話題の一冊。
急速な人口減少や更なる超高齢化など、日本にこれから起きることを年表式に説明していく。
具体的でわかりやすいだけに、読み進むごとに怖さがつのる本でもある。
第1部の最初に掲げられた「人口減少カレンダー」は、2017年から約100年間を網羅するもの。人口減少が進む日本の未来について、見開き2ページで一覧できるようになっている。
続く20のトピックでは、主要な変化についての説明が展開される。
以下はその一部だ。
2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する
2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに
2045年 東京都民の3人に1人が高齢者に
2022年、ひとり暮らし世帯が急増し、中でも貧しい高齢者のひとり暮らしが問題になると予想している。
現在の政府の施策には、この変化のスピードは織り込まれておらず、地域包括支援サービスが間に合わないのだという。
高齢者のひとり暮らしで心配なのは、身の回りの不自由さや孤立だ。病気や要介護状態になったとき、近くに親族がいない場合には途方に暮れることになる。
2024年には、国民の3人に1人が65歳以上、さらに6人に1人が75歳以上になる計算だ。
こうした急速な高齢化によって、重度の患者や要介護者が激増し、医療機関や介護施設の整備が追いつかない状況が出てくるかもしれない。
介護される側とする側が共に高齢者の「老老介護」の問題も更に拡大していることだろう。
2042年については、著者は「2042年問題」と呼び、「2025年問題」より深刻な状況を予測している。
この年、高齢者の数は3935万2000人でピークを迎える。団塊ジュニア世代がすべて高齢者になるためだが、団塊ジュニア世代より前の世代のボリュームも大きい。
一方、それを支えるはずの勤労世代は、2025年と比較して1200万人以上減る見通しで、著者は「日本最大のピンチ」ととらえている。
東京が高齢者で溢れかえる予測もある。
2045年には、東京都民の3人に1人が高齢者になると推計されている。
高齢化は地方で深刻だと思われがちだが、実際には大都市部においてこそ進んでいるのだという。大都市部では総人口はあまり減らず、高齢者の実数だけが増えていくためだ。
筆者は「街が老いる」様子を次のように解説している。
<東京圏にある自治体では社会保障費が増え、高齢者にとって暮らしやすい街づくりが求められるだろう。(中略) いまは渋谷や原宿、青山といった繁華街は、若者向けファッションを扱うおしゃれな店舗が軒を連ねているが、そう遠くない将来、その多くがシルバー向けファッションを中心に扱うようになるかもしれない。>
いずれも大変ショッキングな内容に見えるが、このまま少子高齢化が放置されたなら、確実に起こりうる未来だ。
信頼できるデータをもとに具体的な未来像をイメージさせてくれる本書は、正しく危機意識を持つためにも有効な一冊と言えよう。
著者プロフィール
河合 雅司(かわい・まさし)さん
1963年、名古屋市生まれ。産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策、社会保障政策)。中央大学卒業。内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員、農水省第三者委員会委員、拓殖大学客員教授など歴任。2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞。主な著作に『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社)、『地方消滅と東京老化』(共著、ビジネス社)などがある。