アルバイトをしたいと思ったときの第一のハードルは、応募のための電話ではないでしょうか。
ただでさえ、知らない相手に電話をかけるのは緊張するもの。何から話せばいいのか、何を聞かれるのかわからない中では、不安でいっぱいかもしれませんね。さらに気になるのは、慣れないビジネスマナーでしょう。
そこで、応募の電話を上手にこなすためのポイントとして、事前の準備やマナー、基本トーク例などをご紹介します。
電話をかける前の準備
応募の電話にできるだけ緊張せずに臨むには、
電話をかける前の準備がポイント。以下に挙げたモノやコトをしっかり準備しておきましょう。
<準備しておくこと>
●会話に必要な項目をメモしておく
・
採用担当者の名前
求人サイトや求人広告などで、採用担当者の名前を確認しておきましょう。
・
どの媒体を見て応募したか
求人サイト、フリーペーパー、折り込みチラシなど。
●質問内容を整理しておく
緊張すると話す内容を忘れてしまうこともあります。
質問事項はメモに書き出しておくと安心です。
《ここに注意!》
求人票を見ればわかることを質問するのは、印象を悪くする要因です。求人票や募集サイトに書かれていることを見直してから、質問したい事柄を整理しましょう。
●連絡をもらう際の都合のよい曜日や時間帯
先方から連絡先を確認されたとき、電話番号にプラスして、
連絡がつきやすい時間帯、
電話に出られない時間帯も伝えましょう。その後の連絡がスムーズになり、評価もUPします。
学生の場合は、授業や試験のほか、アルバイトなどの予定をあらかじめチェックしておきましょう!
<準備するモノ>
●求人広告など
募集要項がわかるものを手元に用意しておくと、その場で確認しながら会話ができるので安心です。求人サイトの場合は、必要ページをプリントアウトしておくと良いでしょう。
●カレンダーや手帳
会話の中で、
面接が可能な日などを聞かれることもあります。そんなとき、即座に答えられるよう、自分のスケジュールがわかるものを手元に置いておくと慌てずに済みます。
《評価UPのポイント》
事前に面接可能な日程をピックアップしておくと、調整がスムーズに進み、準備の良さを印象づけることができます。
●筆記用具とメモ
面接日時が決まったときに、すぐ書き留められるよう用意しておきましょう。「メモしてください」と言われて慌ててペンや紙を探すようでは、相手を待たせることになりますし、印象も良いものではありません。
《ここに注意!》
メモを怠ると、ミスのもと! あとで「14時だったっけ? それとも4時と言ったかな?」と記憶があやしくなるケースも。面接日時を間違えたり、あとで確認の電話をするようでは、面接前からイメージダウンです。
電話をかけるときに気をつけるポイント
相手の顔が見えない電話では、より一層の気遣いが大事。電話を受ける先方の状況や気持ちをイメージし、負担にならないよう心がけることで印象はグンと上がります。
◆電話をかける時間帯
相手は業務中であることを忘れてはいけません。
できるだけ相手の迷惑にならないよう、
忙しい時間帯、人員が手薄な時間帯は避けるのがマナーです。
施設などの介護現場に電話をかける場合なら、食事の介助を行う時間帯、あるいは人員が手薄になる夜間の電話は迷惑になる可能性が高いので避けましょう。
◆電話をかける場所
雑音が入ったり、音声がたびたび途切れるような電話は、スタートから減点対象となります。聞き間違いも起きかねません。
できれば自宅から、
落ち着いた環境の中で電話をするのがベストです。それが無理なら、「外出先からの電話で失礼いたします」と最初にお詫びしておくと良いでしょう。
そして、スマートフォンからかける場合は、
電波状況がよく、できるだけ周囲の雑音が入らない場所を選んでかけましょう。
◆用件を簡潔に伝えること
先方の担当者としては、忙しい業務時間中ですから、要領を得ない会話は避けてほしいと思うでしょう。
逆に、
スマートな会話を心がければ、好感度もUPします。とくに会話の切り出しが肝心。どんな用件かズバリ伝わるように以下のポイントをまとめ、事前に練習しておきましょう。出だしが決まれば、気持ちにも余裕が出るはずです。
1. 名乗る(フルネームで名乗りましょう)
2. 用件(求人への応募であること)を伝える
3. 何を見て応募したかを伝える
4. 採用担当者に取り次いでもらう
◆言葉遣いと話し方
電話では、言葉遣いが特に印象づけに影響してしまいます。話しているうちに、友人たちと話すときに使う、くだけた言葉遣いが出てしまうこともあるので注意してください。
敬語は正しく使うのがベストですが、
丁寧に話そうとする意志が伝わることが大事。働く意欲が伝わるように、明るく元気な話し方を心がけてください。
応募の電話で確認しておくべきこと
採用担当者から面接の指定や説明されるケースが多いのですが、万が一、先方からの説明がなかった場合、けっしてそのまま電話を切ってしまってはいけません。こちらから質問をして、明確な返答をもらうようにしましょう。
●面接日・時間は?
その場で手帳やカレンダーを見て、自分のスケジュールと必ず照らし合わせましょう。
●面接場所は?
面接場所が、本社人事部の場合もあれば、募集している介護施設の場合もあるので要確認事項です。
●面接に必要な書類は? 当日の持ち物は?
たとえば履歴書など。事前に郵送を求められるケースもあるので、郵送か持参かという点も確認しましょう。
《ここに注意!》
挙げた項目はどれも大事なことなので、
必ず復唱しましょう。面接日については、日にちだけでなく、曜日も合わせて確認すると、聞き間違いやミスを未然に防げます。
会話例・基本フレーズを押さえておこう
どのように応募の電話をかけたらよいか、会話の流れと基本フレーズを紹介します。
<会話例>
自分:はじめまして。お忙しいところ恐れ入ります。○○ ○○と申します。求人サイトの△△△で介護職の募集を見てお電話いたしました。採用担当の□□様はいらっしゃいますでしょうか。
(※担当者の名前が不明な場合は「採用のご担当者の方はいらっしゃいますでしょうか」でOK)
応募先:少々お待ちください。
自分:お願いいたします。
担当者:お電話替わりました。□□です。
自分:お忙しいところ恐れ入ります。○○ ○○と申します。求人サイトの△△△で介護職の募集を拝見し、お電話いたしました。まだ募集を受け付けていらっしゃいますか?
担当者:はい、まだ募集中です。
自分:今回の募集に関しての応募条件があれば教えていただけますか? と言いますのも、私は現在学生で、介護現場は未経験なのですが、応募可能でしょうか?
担当者:今回の募集は、未経験者も応募可能です。介護業界に関心のある学生さんのアルバイトも大歓迎です。
自分:ありがとうございます。ぜひ応募させていただきたいので、応募方法を教えていただけますか?
担当者:履歴書を、私宛に郵送してください。その後、面接という流れになります。面接の日時については、この場で設定も可能ですが、よろしいですか?
自分:はい。お願いいたします。
担当者:では、来週のご予定はいかがですか?
自分:19日の水曜日以外は空いています。午前中は授業がありますので、午後14時以降でしたら何時でも構いません。
担当者:では、来週木曜日の15時からではいかがですか?
自分:はい、大丈夫です。場所は、○○町○○(住所)の御施設へ直接伺えばよろしいでしょうか?
担当者:はい。当日は履歴書のコピーを持って来てください。
自分:承知いたしました。履歴書のコピー以外に必要な持ち物はありますでしょうか?
担当者:身分証明書と筆記用具をご持参ください。
自分:はい。身分証明書と筆記用具ですね。では来週木曜日、20日の15時にお伺いいたします。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。それでは失礼いたします。
《ここに注意!》
電話の最後は、
担当者が電話を切ったのを確認してから、切るのがマナーです。
こんなときは、どうすればいい?
電話をしたとき、必ずしも上記の会話例のような流れになるとは限りません。さまざまなシチュエーションを想定しておくことが大切です。
そこで、
よくあるシチュエーションと、そのときの対応について紹介しておきます。
Q. 留守番電話だったら?
A. 留守電だからと、
無言で切ってしまうのはNG。なぜなら着信履歴が残るからです。
きちんと名乗り、求人への応募で電話したことをメッセージとして残しましょう。そのうえで、時間をおいてもう一度電話をかけてみましょう。
<例文>
「求人サイトの△△△を拝見して電話させていただきました○○ ○○と申します。あらためてお電話させていただきますので、よろしくお願い致します。失礼いたします」
Q. 担当者が不在だったら?
A. 名前と応募の電話であることを伝えたうえで、
担当者の戻り時間を尋ねます。そして、
再度電話をかけることを伝えて、電話を切ります。
「15時に戻る」と言われた場合、戻ったばかりのタイミングは忙しい場合が多いので15時ピッタリは避け、少し時間をおいてかけると良いでしょう。
<例文>
(応募先:「□□はただいま外出中です」)
「何時頃のお戻り予定でしょうか?」
(応募先:「15時に戻る予定なので、それ以降にかけてください」)
「ありがとうございます。では、15時頃にあらためてお電話させていただきます」
Q. かけ直してほしいと言われたら?
A. まず、
忙しい時間に電話をかけたことを謝罪したうえで、
都合のよい時間帯を教えてもらいましょう。
かけ直した際にも、「さきほどはお忙しいときに失礼いたしました」と、再度お詫びすると印象がぐっと良くなります。
<例文>
「お忙しい時間帯に失礼いたしました。何時頃におかけ直しするのがよろしいでしょうか?」
(応募先:「15時頃なら大丈夫です」)
「かしこまりました。それでは15時頃にまたお電話させていただきます」
もし、先方から指定された時間は都合が悪いという場合は、こちらの事情を伝えたうえで、都合の良い時間を逆提案してみましょう。
<例文>
「申し訳ございません。その時間は授業があり、かけ直すことができません。午後○時頃はいかがでしょうか?」
Q. 先方から折り返すと言われたら?
A. 相手から折り返しの電話を提案されたときは、
自分の電話番号を伝えます。折り返すと言っても、すぐにかかってくるとは限りません。もし自分が電話に出られない時間帯があれば、それも伝えておきましょう。
<例文>
「かしこまりました。私の電話番号は、000-0000-0000です。なお、○時から○時までの1時間は電話に出られない可能性があります。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願い致します」
Q. すでに募集が終わっていたら?
A. 募集が終わったと聞いた途端に何も言わずに電話を切るのは大変失礼なこと。このさき、再び募集があり、応募する可能性がないわけではありません。募集が締め切られていたという場合でも、丁寧な対応を心がけましょう。
<例文>
「そうですか。大変残念ですが、またの機会がありましたら、ぜひよろしくお願い致します。お忙しいところ失礼いたしました」
基本フレーズは何度も声に出して練習を!
応募の電話は、事前準備が肝心。準備不足は、採用担当者にすぐに伝わってしまいます。
今回ご紹介した準備のポイントや会話例を参考にして、予習をしておくことが大切です。
敬語やふだん言い慣れないフレーズは、頭の中でわかっていても、いざとなるとスムーズに口から出ないもの。会話例を何度も声に出して慣らしておくことをオススメします。
面接前にこちらもチェック
■服装・持ち物に関するマナー
■面接当日に関するマナー
■メール・連絡に関するマナー
例文あり!面接対策
転職のステップガイドはこちら