履歴書に書く「扶養家族」の記入欄。
独身/夫婦共働き/同居/別居/仕送りありなど、パターン別解説でもう迷わない!
そもそも扶養家族って?どうして履歴書に必要?など、ちょっと気になる疑問にもお答えします。
扶養家族を書くのは税金や保険のため
最近の履歴書は、
住所などの連絡先と
学歴・
職歴、
資格・免許、
通勤時間や
志望動機、本人希望などシンプルな内容だけで構成されています。
個人情報法により、必要以上の個人情報を開示しない方向になっているからです。
その中で履歴書に、扶養家族の人数や配偶者の有無など、かなりプライベートな内容を記さなければならない理由は、どこにあるのでしょうか。
法人は、その職員を雇った場合の所得税や健康保険がどうなるのか、あらかじめ知っておきたいからです。
扶養家族の人数が多いと、社会保険の手続き書類が多くなり、所得税や住民税は控除が増えて安くなります。
ただ、どちらも法人側にそれほどの負担はないので、
扶養家族が多いからといって、転職に不利になることはありません。安心して書きましょう。
扶養家族とは文字通り「養っている家族」のこと
それでは、扶養家族とは、そもそもどういう家族のことでしょうか。
扶養家族は、
「自分の収入から生活費を出し、養っている家族」のことです。
「扶養家族」が2種類ある?!
実は、「扶養家族」の定義には2通りあり、「税法」と「健康保険」では、扶養家族にあたる人が少し異なります。
■税法上の「扶養家族」
税法上では、
生活を同一にしていることが扶養家族の条件のひとつで、その扶養家族の
年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であることが求められます。
内縁の妻や夫は扶養家族には数えません。
■健康保険での「扶養家族」
健康保険では、
内縁の妻や夫は扶養家族(被扶養者)とされ、条件により、
同居していなくても被扶養者となります。
また、収入の要件も税法とは異なります。
履歴書に書く「扶養家族」は?
それでは、履歴書に書く「扶養家族」はどれを書くのが正しいのでしょうか?
履歴書では、「健康保険の『被扶養者』を想定して扶養家族を書く」のが正しい書き方です。
健康保険の被扶養者になれる範囲は、以下の通りになっています。
・被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人(同居していなくてもOK)
・同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている三親等以内の親族、事実婚の配偶者の父母・子
また、被扶養者になるためには、以下の条件のどれかにあてはまる必要があります。
・年間収入130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)
・同居していない場合は、年間収入130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)かつ被保険者からの仕送り額より収入が上回らない
※自営業を営んでいる対象者の年間収入の算定にあたっては、収入から控除できる経費は事業所得の金額を計算する場合の必要経費とは異なりますので留意ください。
(参考:全国保険協会ホームページより)
ケース別「扶養家族」の書き方例
履歴書の扶養家族欄にある「配偶者の有無」「配偶者の扶養義務の有無」「扶養家族数」について、独身・夫婦共働き・親と同居のパターン別に、書き方をご紹介します。
履歴書の「扶養家族数」には「配偶者を除く」と書かれていることが多いため、ここでは配偶者を除いた扶養家族数を記載するものとします。
●独身・1人暮らしの場合
・配偶者「なし」
・配偶者の扶養義務「なし」
・扶養家族数「0人」
●既婚、夫婦共働きの場合
夫婦が共働きの場合は、収入の状況により、配偶者の扶養義務は異なります。また、扶養家族の人数も、同居する子どもや親などの収入により異なります。
◇配偶者(年収130万円未満)、子ども2人(収入なし)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「あり」
・扶養家族数「2人」(子ども2人)
◇配偶者(年収130万円以上)、子ども2人(収入なし)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「なし」
・扶養家族数「2人」(子ども2人)
◇配偶者(収入なし)、子ども2人(1人は年収130万以上、1人は80万円)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「あり」
・扶養家族数「1人」(子ども1人)
◇配偶者(年収130万円以上)、子ども1人(年収130万以上)、母(収入なし・75歳未満)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「なし」
・扶養家族数「1人」(母)
◇配偶者(収入なし)、子ども1人(収入なし)、母(収入なし・75歳未満)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「なし」
・扶養家族数「2人」(子どもと母)
●別居の親族がいる場合
仕送りをするなど生計を共にしているのであれば、配偶者・子・父母・孫・兄弟姉妹などの、直系親族は扶養家族となります。
◇独身、母(別居・自分からの仕送りで生活・75歳未満)
・配偶者「なし」
・配偶者の扶養義務「なし」
・扶養家族数「1人」(母)
◇配偶者(収入なし)、子ども1人(収入なし)、母(別居・自分からの仕送りで生活・75歳未満)
・配偶者「あり」
・配偶者の扶養義務「あり」
・扶養家族数「2人」(子どもと母)
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