職場にちょっと不満が芽生えて、転職を考え始めたとき。いったい何から始めたらいいのでしょうか?
モヤモヤする気持ち、特定の人を非難したい気持ちもあると思いますが、まずは自分の気持ちを整理しましょう。それが、次の職場にどんなことを望んでいるかの答えになるからです。
転職の希望は何?
転職をするときに、「なんとなく求人票を見て、ピンときたところにアクセスする」という人は多いかもしれません。
でも、自分の考えがまとまっていないうちにアクセスすると、自分の本当の希望とずれてしまうことがあります。
まずは、自分の
転職への思いをまとめましょう。
その中心になるのは、仕事に関する
「希望」です。
これを次々と書き出していくとよいのです。
・給料が高い
・家から近い
・人間関係がよい
・正職員で働きたい
・残業や夜勤のないところがいい
さまざまあるでしょう。
考えられるだけ書き出して、優先順位をつけていきます。そして、上位のほうから見ていきましょう。
すると、「給料が高くて残業がない、これはなかなか見つからないかもしれない。給料と時間、どっちを大事にしようかな」「家から近くて人間関係がよい、これは近所の人の口コミを聞きまくったら、希望の職場がみつかるかもしれない」と、だんだん自分の「希望」の中身や、希望を叶える方法もはっきりしてきます。
働く場によっても「希望」の内容は変わる
介護士の場合は、ひと口に「介護業界」とくくっても、介護施設なのか
訪問介護事業所なのか、
デイサービスなのか、転職の希望が叶えられるかどうかは
働く場所によっても違ってきます。
また、正職員・パート・
派遣など、働く形態によっても違います。
まずはそれぞれの特徴をおさえ、その特徴と希望をリンクさせる形で転職を考えるといいでしょう。
■働く場所
●施設系
・特別養護老人ホーム・老人保健施設:
社会福祉法人や
医療法人などが母体のことが多く、母体がしっかりしていることが多い。給料は介護業界の中では一般に高いほうだが、ひとりでみる利用者さんの数は多め。夜勤あり。
・
認知症対応グループホーム:民間企業が運営することが多く、職場はこぢんまりしていることが多い。夜勤あり。
・
有料老人ホーム:民間企業が運営することが多い、いわゆる高級なホームではていねいな介護が要求される。夜勤あり。
●居宅系
・
デイサービス:おとまりデイがなければ昼間の勤務に限られる。レクリエーション中心。
・
訪問介護:利用者宅に出向いて介護する。1対1の介護。夜勤はなく、ヘルパーであれば時間は比較的自由に組める。常勤、パート両方あり。
・小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護:訪問、デイ、泊まりの対応をするため、仕事内容がバラエティに富む。泊まりの担当になると夜勤もある。
・居宅介護支援事業所:
ケアマネジャーのみ。昼間勤務。
■働き方(雇用形態)
・正職員(正社員):年金や保険などが完備され、
ボーナスも期待できる。昇進・昇給もしやすい。パートより責任は重い。
・非常勤:比較的自分のペースで働ける。契約社員として月給などが決められている場合と時給で働くパートの場合がある。パートでも勤務条件を満たせば年金や保険などが適用される。
なお、夜勤専従という働き方もあり、給料のいい夜間のみ働き、昼間の時間を自分の好きなことに使う人もいる。
・
派遣社員:介護の派遣会社に登録し、決まった派遣先に勤務する。残業は基本なく、人間関係もあっさりしている。直接雇用より時給が高い場合が多い。
さて、これらの特徴と、自身の希望はリンクしているでしょうか。
「子どもがいるから夜勤はできない」というのなら、施設系の勤務先だとあてはまらないかもしれません。
しかし、今は人手不足。「昼間だけでも来てほしい」と望まれることもありますから、自分の希望をしっかり伝えることが大切です。ただ、そのときは「みなさんが夜勤で働いているのに、申し訳ない」という気持ちを持つと、勤務後の人間関係がスムーズになるでしょう。
「非常勤だと不安定だから正職員がいい」という気持ちがはっきりしているのなら、最初から正職員の募集のところだけを応募するようにします。目先の賃金などに惹かれて非常勤契約の職場で働いてしまうと、あとで後悔するかもしれません。
面接では希望をはっきりと言う
「ここに行きたい」という就職先を見つけ、
面接に行くと、「どうしても受かりたいから」と、自分の本当の気持ちを押し込めて、相手側の意向に添うような発言ばかりしてしまうことがあります。
けれど、そんな形で合格し、いざ働いてみると、納得いかないことばかりになってしまい、結局、短期間で辞職することになりがちです。
面接のときには、
自分の希望は相手にしっかり伝えましょう。
「わがまま」と思われるかと心配するかもしれませんが、きちんと理由があれば大丈夫。
「子どもが保育園に通っていて、お迎えの時間が決まっています。それまでの時間はしっかり働きますので、間に合うように退社したいのです」
「家からの電車の便やバスの便がよくないので、自転車か原付バイクで通勤したいのですがよろしいでしょうか」
など。相手が納得するような言い方をし、謙虚さをにじませれば、希望をはっきり言葉に出してよいのです。そして、お互いの条件がどうしても合わなければ、無理に就職せず、もっと自分に合うところを探し直せばよい。そう考えましょう。
履歴書の「本人希望欄」には本当に大事なことのみ記載
履歴書の「本人希望欄」にも、自分の希望を書くことができます。けれど、ここには本当に
入社する上で譲れない条件のみ書きましょう。
わざわざ希望欄に書くのですから、面接する採用担当者は、「これは絶対に譲れないのだな」ととらえます。
「給料は30万円以上、休みは週2回必ず確保、残業なし」などと書くと、印象が悪くなるのは否めません。
介護や保育の関係で勤務時間がどうしても限られる、月に1度の通院があるからその時間は避けてほしいなど、「それをNGと言われたら働けない」ということだけを書きます。それ以外のことは、面接のときにやんわりと伝えるほうがよいでしょう。
特に強い希望がなければ、通常は「貴社の規定に従います」と記載するのが基本です。
自分の希望と、就職先の都合を上手にすりあわせて、納得のいく転職先を見つけましょう!
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