定着率が低いと言われる介護業界。みんながどのような理由で退職を考えているのか気になりませんか?
そこで今回は、介護の職場別に「退職の理由」としてあてはまるものを尋ねました。
特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービスなど、介護にはさまざまな職場がありますが、職場によって退職の理由に違いがあるのかをみていきましょう。
介護業界では、給与面や将来性を考えて退職を考える人が多い!
※介護求人ナビ調べ アンケートモニター(20歳以上の男女、1030名)に対し、WEB上で調査〈クリックで拡大〉
介護業界で転職を考えている人を対象に、
「退職を考えている理由」について尋ねました。
最初に、
特別養護老人ホームに勤務している人の回答を見てみましょう。
最も多い回答は「より給料の多い職場で働きたくて」(32.7%)、次いで「労働条件が入社前の想像と違った」(20.0%)でした。
実際に働き始めると、残業が多く長時間労働であったり、休日が思うように取得できなかったりといったケースが考えられます。
「この職場では明るい未来がないと感じて」(18.2%)という回答も多く、給与面とともに、労働条件や職場の将来性も退職を検討する大きな理由となっているようです。
グループホームでも、「より給料の多い職場で働きたくて」(35.7%)という回答が最多。
「この職場では明るい未来がないと感じて」(33.3%)も多く、将来性と給与面の不満が主な理由となっていることがわかりました。
「職場の雰囲気が入社前の想像と違った」「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」はそれぞれ19.0%でした。
デイサービス・デイケアの場合も一番多い回答は「より給料の多い職場で働きたくて」(30.6%)ですが、特養やグループホームなどと比べると割合は低めです。
2位は「この職場では明るい未来がないと感じて」(22.6%)、3位は「法人・事業所の理念や運営に不満」(19.4%)でした。
訪問介護でも、「より給料の多い職場で働きたくて」(39.1%)という回答が最多でした。
特徴的だったのは、「自分のスキル・資格を活かせる職場で働きたくて」(17.4%)という回答が、他の職場と比べると多いことです。
「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(17.4%)という回答も多く、給与面の不満とともに、自身のスキルや経験が、現場で活かせないことが退職の理由になっているようです。
有料老人ホームやサ高住などに勤めている人は「給与UP」がダントツ
介護付き有料老人ホームに勤務している人はどうでしょうか。ダントツで多かったのが「より給料の多い職場で働きたくて」(42.9%)でした。
2位は「この職場では明るい未来がないと感じて」(34.3%)、3位は「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(25.7%)です。
特養で多かった「労働条件が入社前の想像と違った」(17.1%)は4位で、勤務時間や休日などの労働条件よりも、上司や同僚の考え方に不満を持つ人が多いことがうかがえます。
住宅型有料・サ高住・シニアマンションでも、同様の傾向が見られました。
「より給与の多い職場で働きたくて」(43.3%)が最多の回答で、「この職場では明るい未来がないと感じて」(33.3%)、「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(30.0%)が続いています。
「より給料の多い職場で働きたくて」という理由が多くの職場で挙げられる中、
人事・経営企画などの管理部門で働く人の場合、それを理由に挙げる人は0%でした。
最も多い回答は「法人・事業所の理念や運営に不満」(26.7%)で、給与面では満足しているものの、事業所などの運営方針が不満で退職を考えることが多いようです。
今回のアンケートにより、現在よりも高い給与を求め、退職を考えている人が多いことがわかりました。同時に職場の将来性や、上司や同僚との考え方のズレを退職理由に挙げる人も多くなっています。
転職先を探すときは給与面だけでなく、将来性やケアに対する考え方も確認しておくことが大切でしょう。
●職種別のアンケート結果はこちら
→退職を考えている理由は?~施設職員、ケアマネなど介護の職種別に質問
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