定着率が低いと言われる介護業界ですが、それは仕事そのものが嫌になったから転職するのでしょうか?
それとも職場環境や仕事内容に問題があるからなのでしょうか?
今回は、現在、退職を考えている施設介護職員、訪問ヘルパー、ケアマネジャーなど介護に携わっている人たちに、今の職場を辞めた後に、どのような仕事に就きたいと考えているかアンケートを実施しました。
そのアンケート結果を、介護の職種別にご紹介します。
施設介護職員の1位は、違う施設・サービスを提供する職場で働くことを希望
※介護求人ナビ調べ アンケートモニター(20歳以上の男女、1030名)に対し、WEB上で調査〈クリックで拡大〉
現在、退職を考えている介護職の人に、退職した場合、その後どのような仕事に就きたいか尋ねました(複数回答あり)。
施設介護職員で最も多かったのは「介護・福祉業界だが、施設・サービスの形態が今までと違う」(24.0%)、2位は僅差で「介護・福祉業界で、今までと同じエリア・サービス・職種・雇用形態」(23.0%)でした。
3位は「介護・福祉業界だが、エリアが今までと違う」(20.8%)となっています。
多くの人が今の職場を退職しても、“引き続き、介護・福祉業界で働きたい”と思っていることがわかりました。
訪問ヘルパーも施設介護職員と同様に、「介護・福祉業界だが、施設・サービスの形態が今までと違う」「介護・福祉業界で、今までと同じエリア・サービス・職種・雇用形態」(各26.2%)が多くなっています。
一方、介護の仕事以外の業務に就きたいという回答は、23.8%でした。
生活相談員・支援相談員でも同様の傾向が見られました。
「介護・福祉業界だが、施設・サービスの形態が今までと違う」「介護・福祉業界で、今までと同じエリア・サービス・職種・雇用形態」が38.9%で、訪問ヘルパーと同じく同率となっています。
施設介護職員、訪問ヘルパー、生活相談員・支援相談員は、エリアや雇用形態・職種は今と変わらず、違った施設やサービスを提供しているところに転職したいと考えているようです。
現在の職場環境や給与・サービス提供方法に不満を持ち、転職を考えているのかもしれません。
ケアマネジャーは違うエリアでの勤務を希望し、サ責は職種を変えて働きたいと考えている
ケアマネジャーではどうでしょうか。
最も多い回答は「介護・福祉業界だが、エリアが今までと違う」(40.0%)で、他の回答よりも10ポイント以上多くなっています。
引っ越しなどを機に違う地域で働こうと考える人や、今までと違ったエリアで心機一転頑張ろうと考える人が多いのかもしれません。
「今までと同じエリア・サービス・職種・雇用形態」「施設・サービスの形態が今までと違う」は各24.0%でした。
サービス提供責任者の場合、最も多い回答は「介護・福祉業界だが、職種が今までと違う」(37.5%)でした。
責任が重い仕事のため、「違ったポジションで働きたい」と考える人が多いのかもしれません。
また、「介護・福祉業界だが、今までより上の役職」(25.0%)という回答が、他の職種に比べ多くなっています。
介護サービスを提供する際の重要なポジションであるサ責の仕事に従事したことで、自信がつき、事業所の管理者や施設長・ホーム長などの役職に就きたいと考えるようになるのかもしれません。
全体でみても、現在の仕事を辞めたあと、介護業界以外で働きたいとの回答が多数を占め、多くの人が引き続き介護業界で働きたいと考えていることがわかりました。
介護の仕事そのものに不満があるわけではなく、満足できる職場環境や仕事内容であれば、長く働き続けたいと思っている人が多いのではないでしょうか。
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