介護職は定着率が低いという声を聞きますが、退職を決意する理由は何なのでしょうか?
そこで転職の理由を探るべく、現在、退職を考えている介護職の人たちに、退職理由についてのアンケートを実施しました。
今回は、そのアンケート結果を介護の職種別にご紹介します。
施設介護職員やヘルパーの退職理由1位は「給与の多い職場で働きたい」
※介護求人ナビ調べ アンケートモニター(20歳以上の男女、1030名)に対し、WEB上で調査〈クリックで拡大〉
現在退職を考えている介護職の人に、「退職の理由としてあてはまるもの」について尋ねました(複数回答あり)。
施設介護職員が退職を考える理由で最も多かったものは、「より給料の多い職場で働きたい」(36.6%)でした。
給与や待遇は施設によってばらつきがあるため、同じ介護の仕事をするなら給与が高い方で働きたいと考える人が多いことがわかります。
次いで多かったのは、「この職場では明るい未来がないと感じた」(26.8%)で、職場に将来性を感じられず辞める人も多いようです。
生活相談員・支援相談員も、施設介護職員と同様で「より給料の多い職場で働きたい」(30.6%)が最も多い理由となりました。
2位は「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(22.2%)、3位は「法人・事業所の理念や運営に不満」(19.4%)で、自らの考えと同僚や職場の理念・ケア方法にへだたりがあることが理由のようです。
一方、
訪問ヘルパーはどうでしょうか。
最も退職理由として多かったのは、こちらも同じく「より給料の多い職場で働きたい」(31.0%)でした。
訪問ヘルパーは「その他」(19.0%)という回答が他の職種と比べると多くなっています。
給与や仕事内容、待遇、職場環境や同僚・上司以外の理由で、退職を考えていることがわかります。
3位は「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(16.7%)でした。
ケアマネジャーやサ責は、給与面の不満が25%前後
続いて、
ケアマネジャーを見てみましょう。
最も多い回答は、「法人・事業所の理念や運営に不満」(32.0%)でした。
実際に利用者やご家族と会い、ケアプランを作成するうちに、事業所のやり方と自分の理想にギャップが出てきたのかもしれません。
2位は「この職場では明るい未来がないと感じた」「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」「労働条件が入社前の想像と違った」「より給料の多い職場で働きたい」が同率で24.0%となっています。
サービス提供責任者で最も多い回答は、「上司・同僚の考え方や、ケア方法に不満」(50.0%)で、退職理由の半数を占めました。
給与や待遇面よりも、上司や同僚の介護に対する考え方と、自らの考えに違いがあることを挙げています。
次いで多い理由は「この職場では明るい未来がないと感じた」(37.5%)でした。
「労働条件が入社前の想像と違った」「職場の雰囲気が入社前の想像と違った」「法人・事業所の理念や運営に不満」「より給料の多い職場で働きたい」「自分のスキル・資格を活かせる職場で働きたい」という回答は各25%でした。
介護の仕事は大変であるにもかかわらず、労働内容と給与が見合わないという指摘もされています。
それを裏付けるように、実際に介護を行う施設介護職員や訪問ヘルパーからは、退職理由として給与面の不満が挙げられました。
一方、事業所の重要なポジションであるケアマネジャーやサ責は、事業所の運営方法や、スタッフの介護に対する考え方が大きな理由となっているようです。
●職場別のアンケート結果はこちら
→なぜ退職を考えている?~特養、グループホームなど介護の職場別に質問
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