「もっと待遇や雰囲気のいい職場で働きたい」「新しい介護サービスを経験したい」など、転職の理由はさまざま。でも「なかなか辞められない…」「転職したけど、前の職場の方がよかった」など、いろいろな悩みを持っている人も多いようです。
ここでは、転職する？転職しない？に関する失敗談を、介護求人ナビ編集部からのアドバイス付きでご紹介。「あの時こうしていれば…」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください！
〈事例1〉引き止められたので、転職を断念。でも、やっぱり辞めればよかったかも…
32歳／女性／香子
正職員登用のある職場で働いて5年。ずっと、上司に正職員になりたいと伝えてきましたが、あやふやな返事のまま…だから転職することにしたんです。
でも、それを伝えたら、急に「正職員にするから辞めないで欲しい」と言われてしまって。結局、正職員にはなれたのですが、待遇が最初の話と違う！やっぱりあの時、辞めておけばよかったかな。
《アドバイス》
安心して働き続けるためには、事業者や上司との「信頼関係」も大切なポイントの一つです。そういう意味では、あなたの場合、事業者や上司になにか問題があるかもしれません。
ただし、正職員になるためには事業者によってさまざまな条件があるので、一概に「正職員になれないのは問題だ」とは言えません。しかし、正職員になれない理由をあやふやにしてしまうのは管理者としてNGと言えるでしょう。
また「辞められると困るから、正職員に」と態度を急変させたことにも、あなたは不信感を抱いたのではないでしょうか。さらに、最初に言われた待遇と実際の待遇が違うとなれば、あなたが「辞めたい」と思うのも当然かもしれません。
辞めないで欲しいと引き止められるのは、うれしいことですし、続けたいという気持ちも分かりますが、「信頼関係」がない職場で働き続けることはストレスになります。
もし、それでも今の職場が好きで、働き続けたいと思うなら、もう一度今の気持ちを上司に伝えてみましょう。その上で「やはり信頼できない」と感じるのであれば、転職も視野に入れた方がよいかもしれませんね。
〈事例2〉転職したいけど、まわりのことを考えると言い出せない…どうすればいいの？
28歳／女性／ヨーコ
デイサービスで働いているのですが、24時間の介護を経験したいから、転職したいんです。でも、今の職場はずっと人手不足。
今辞めたら、利用者様や他の職員に迷惑がかかると思うとなかなか言い出せなくて。自分がもんもんとして悩んでいるうちに、まわりの職員がどんどん転職して、さらに人手不足に。
ますます辞められない雰囲気になって困っています…。
《アドバイス》
あなたの中で、転職の意志や今後の目標がはっきり決まっているのなら、できるだけ早く退職の意志を伝えましょう。
周囲に迷惑をかけてしまうかもしれないと心配する気持ちは分かりますが、あなたが退職した後のことを考えるのは、あなたではなく事業者です。
法律では「退職届」を提出した14日後に退職することもできますが、一般的には退職希望日の1カ月以上前に届けを出すことが常識と言われています。自分が辞めた後のことを考えるのなら、次の職員の採用や引き継ぎ期間を考慮し、3カ月前には退職を伝えるようにした方がいいでしょう。
退職することを伝えてから、実際に退職するまでには時間がかかります。また、人手不足の職場なら、もう少しもう少し、とずるずると引き止められる可能性もあります。「○月○日までに退職したい」と明確に伝えるようにしましょう。
「転職したいけど、辞められない」と悩んでいても、状況は変わりません。その状態のままギリギリまで我慢した上で、突然「限界なので今月でやめます」となるのは、自分にとっても、利用者や事業者にとっても決して良くありません。
あなたの行動を決められるのはあなた自身だけです。「今、私がいなくなると困る」ことではなく、「私がこれからやりたいこと」に目を向け、動きはじめましょう。
また、「そこまで本気で辞めたいわけじゃないんだけど…」という場合は、「辞める」という選択肢をいったん捨てて、「辞めない」と決めて働き続けてみませんか？
「辞めない」と決めると、あなたの職場での気持ちも行動も、目の前だけではなく、数年先を見据えたものに変わってきます。それによって、いい変化がきっと起こってくるでしょう。
〈事例3〉転職してみて、前の職場の心地よさに気づきました。できれば戻りたい…
27歳／男性／ひろゆき
以前の職場にも、特に不満はなかったのですが、給与のよさにひかれて転職しました。でも、今の職場になじめなくて。
以前は利用者様や他の職員とフレンドリーだったけど、今はすごくビジネスライク。待遇も、期待していた通り給与の額はいいけど、休日や福利厚生がイマイチで。正直、前の職場の方が良かったと思ってしまっています…。
《アドバイス》
転職先選びのポイントは、人によって違います。
給与や休暇などの「待遇」はもちろん、「職場の雰囲気」「事業者の介護のスタンス」「職員へのサポート」など、人により視点はさまざま。その中で、自分が何を重視しているかを、自問自答し見極めることも、失敗しない転職先選びに重要な点です。
あなたの場合、本当に重視しているものは「働きやすさ」や「雰囲気」だったのに、転職の時には「給与」だと思ってしまったのが、後悔している原因なのかもしれません。
まず、自分が楽しく働くためには「何が大切なのか」を考えてみましょう。これは、今後の転職先選びにも役立ちます。
以前の職場の辞め方にもよりますが、前の職場に戻ることは、状況によっては可能でしょう。しかし、「一度辞めた職員が戻ってくる」のは、一緒に働く職員や上司にとっては以前と同じではありません。「まわりの職員や上司の気持ちは、以前と同じではない」ことを前提に、よく考えて判断してください。
また、転職直後は、慣れない環境や仕事の中で、「他の職場がよく見える」「以前の方がよかった」と思うことが多いものです。ただ、その最初の期間を乗り越えると、「この点は、前の職場よりよい」、「苦手だと思った同僚も仲良くなるとよい人だった」など、だんだん働きやすくなるもの。
今がイヤだと思うのではなく、前向きに考えることも大切です。
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