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2019年03月19日

施設入居で父が 「いい意味」 で豹変?~介護業界の裏話・珍事件 | 「介護求人ナビ 介護転職お役立ち情報」

jikenbo28sisetsunyukyo毎回、介護にまつわる問題点やちょっと困った介護スタッフの珍行動、介護現場での珍事件などを紹介するこのコーナー。
今週は「介護施設利用で性格が豹変した父」について紹介します。

自分の身の回りのことが自分でできなくなり、なおかつ自分の世話をしてくれる人が周りにいない場合に頼りになるのが、介護という仕事を職業にする人たち。現在では介護保険などの制度の導入により、介護を受けることは、以前に比べて遥かに容易くなっているが、それでも介護に対して抵抗感を持つ人は少なくない。

例えば、介護を受けることになった高齢者が、「ついに人様の世話になってしまうのか」「自分のことが自分でできなくなるようでは……」と“老い”を感じて、一気に老けこんでしまったり、親や祖父母などの介護を頼んだ娘や息子が、「親族の世話を放棄してしまった」「自分の親の面倒を他人に委ねてしまった」と、気に病んでしまったりするような例が、そうした抵抗感の代表的なもの。自分の親族が介護のお世話になった人なら、心当たりがある方も多いだろう。

都内在住のQさんも、そんな考えを持っていた1人。働きながら、近所に住む父の介護をしていたQさんは、大きな負担を感じていたものの、「やっぱり自分の親だし……」と無理な介護生活を継続。父は父で「他人が家にいるとかえって疲れる」「落ち着かない所で暮らすのは嫌だ」と、訪問介護や介護施設に入ることを拒否したため、両者の思惑が奇妙な形で合致し、家族間の介護生活は続いていた。

しかし、疲れから無愛想が顔に出るようになったQさんと、それを不快に感じる父との間で頻繁に衝突が起こるようになり、ついにお互いが納得して、父は介護施設にお世話になることに。すると、それまで家にこもりきりで、Qさん以外には全く話し相手がいなかった父が、施設に入って入れ替わり立ち代り職員さんたちと会話するうちに、かつての社交的な性格を取り戻し、施設にいること自体を心地よいと感じるようになったのだ。

そしてQさんが目を疑ったのは、父が、同じ施設に住む自分より年配の入居者の細々とした世話を焼いていたこと。自宅に住んでいた時は、ポストに新聞を取りに行くことさえ億劫がり、それが溜まりすぎてマンションの管理人からQさんに電話がかかってきたこともあったそうだが、今では、施設のレクリエーションの係を積極的に買って出たり、近所の公園を散歩したりと行動的になり、一時はギクシャクとしたQさんとの関係も改善。

今では父とQさんとで、「なぜ早くこうしなかったんのだろう」と、笑って言い合っているそうだ。

公開日:2013/10/7
最終更新日:2019/3/19

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